2013年2月23日土曜日

【総合相談室】高次脳機能障害の支援とは?

こんにちは。

高次脳機能障害支援コーディネーター全国会議に参加してきました。
今回は、そこで勉強してきたことを紹介したいと思います。


高次脳機能障害とは?→クリック!


全都道府県に支援拠点機関が設置!

平成19年の福田内閣時に目標とされた支援拠点機関の“全都道府県への設置”が今年ようやく達成されたようです。
しかしながら、県内に1箇所設置されたからといっても、自分の住む地域に支援拠点機関がなければ、支援を受けることは現実的ではありません。今後は各地域での支援の均てん化が課題となるでしょう。

千葉県においては、以前から千葉リハビリテーションセンターと松戸市の旭神経内科リハビリテーション病院が支援拠点機関に指定されていました。当院は平成21年に千葉県で3番目の支援拠点機関に指定され、前述の2病院と連携してそれぞれが特徴を持った支援を行っています。



就労・就学の相談が増えている!

近年、がんや難病等あらゆる疾病・障害においても、就労と就学についての相談件数が爆発的に増えていることが報告されています。
昨日の会議では、特に高次脳機能障害児の就学(復学)についての話題が重点的に挙がりました。



学校は『環境変化』の多いところである

高次脳機能障害者(児)の特徴の1つに、環境変化への対応を苦手とすることが挙げられます。家庭では限られた環境内で、慣れを活用して支援ができますが、学校では、
・科目毎に先生と教室が変わる
・毎日授業で新しいことを習う
・学年が変わるとクラスの友達が変わる
その他にも季節の催し物や進学に向けての問題など、実に多くの環境変化があり、変化毎への支援を要します。


高次脳機能障害は希少疾患!

全国の義務教育段階の全児童生徒数は1053万人。その中で特別支援学級の児童生徒は1.47%(15.5万人)です。特別支援学級では主に、肢体不自由・自閉症・発達障害・知的障害・言語障害といった児童が多く、全国で年間1000例程度と言われる高次脳機能障害児は、極めて希少と言えます。




高次脳機能障害児を受け持ったことのある教諭はほとんどいない!

前述のように、高次脳機能障害児は実に1万人に1人。故に、経験や知識を持った教諭がいること自体が珍しいことなのです。医療従事者はこれを心得た上で、もっと学校へ対してアプローチをする必要があります。



平成18年に施行された障害者自立支援法高次脳機能障害支援普及事業により、高次脳機能障害は社会的に認知されるようになりましたが、学校や職場、福祉分野では、まだまだ十分とは言えません。

支援コーディネーターの一人として、当地でもっともっと生活の場へアウトリーチ(出向き)し、高次脳機能障害への支援普及を進めていくことの必要性を再確認しました。

2013年2月12日火曜日

【総合相談室】改正法対応 吸引研修会 開催

 2/9()、総合相談室が運営する
“安房地域難病相談・支援センター”主催
による
第2回吸引研修会』
が開催されました。


 
 平成24年度、「社会福祉士及び介護福祉士法」が一部改正され、法律に規定された研修を受けることにより、在宅や施設などで介護職員等が吸引や経管栄養等の医療行為を行うことが可能となりました。


 “安房地域難病相談・支援センター”では、法改正前よりこの研修会開催に向けて準備を進め、昨年8月に
登録研修機関として指定
されました。
 地域の事業所の方々の協力も得て、同11月に第1回目を開催。今回は第2回目です。


 毎回多数の応募をいただいておりますが、講師や研修機材準備の関係により、定員を20名に限らせて頂いております。ご迷惑をお掛けしておりますことをご了承ください。

次回の開催につきましては、決定次第、告知致します。
 
 尚、この取り組みは、来月鹿児島で行われる難病研究会で発表を予定しております。


2013年2月9日土曜日

【総合相談室】スペシャリスト×ローテーション=ジェネラリスト!

 当院のソーシャルワーカーは、

“Aさんは神経内科担当”
“Bさんは脳神経外科と救命救急科担当”
“Cさんは消化器内科と外科担当”

というように、診療科ごとに担当制をしいて業務にあたっています。

他の病院では、新人のうちから診療科に関係なく担当しているところの方が多いようですが、なぜ当院がこのようなスタイルをとっているのでしょうか?



  新人時代は、『個別性』を基本とするケースワークにおいて、多様・複雑化するクライエントが抱える課題に対し、どのような根拠や判断基準をもって支援を進めていけばよいか迷うことが往々してあります。
 診療科担当制は、情報量を意図的にセーブし、診療科(疾病)によって異なる支援の特徴や考慮すべき注意点などを集中的に経験して、専門的支援を行うスペシャリストを育てるのに非常に有効です。
  他にも、病棟で『いつも見る顔』として、スタッフとのコミュニケーションを円滑に進めることにも役立っています。(これだけの規模の職場だと、スタッフの名前と顔を覚えるのも大変です。)

 勿論これは、総合病院においては他の診療科に触れることができず、知識や技術が限局化してしまうデメリットもあります。



 そこで、

  

 当院のソーシャルワーカーは半年~1年に1度ローテーションがあり、年数を追うごとに様々な診療科を経験していきます。

 時間はかかりますが、数年後にはどんな支援にもスペシフィックに対応できる『ジェネラリスト』に成長する為の教育体制をとっています。

 ひとつひとつを深めて少しずつ広げていくか、浅く広いものを少しずつ深めていくか。。。
 どちらが良いか、どちらが早いかは種々見解が異なるところでしょう。
 多くのソーシャルワーカーが在籍しているからこそ出来る方法なのかもしれません。即戦力が必要な環境には、良い方法論とは言えないでしょう。




 私にはひとつずつ極めていく感じが合っているようです。


 

2013年2月4日月曜日

【総合相談室】行動予定表


これは当院の総合相談室内に掲げてあるソーシャルワーカーの行動予定表です。



 











18人ものソーシャルワーカーがいると、誰が・どこで・何を
しているかを把握するのは至難の業です。そこで活躍するのがこのアナログな行動予定表です。

この行動予定表には、縦軸に人、横軸に時間が置かれています。黄色が面接中、青がカンファレンス参加中、緑は会議中、オレンジは病棟訪室中といったように、色によってその時間帯に、誰がどこで何をしているかが一目瞭然で分かります。

さて、PC全盛の時代になぜこのアナログ予定表が活躍するのでしょうか。

ソーシャルワーカーは、予定されているスケジュールに追加して突然仕事が飛び込んでくることは日常茶飯事。でもオンラインスケジュールだといちいちPCを開けてアクセスして予定を入力しないといけない。後日の予定等ならまだしも、目の前の相談者を待たせてまで入力する暇などありません。

その点、行動しようと立ち上がった時にペタッとマグネット貼って出発できる手軽さや、デスクから顔を上げれば見える場所に掲げられている見やすさ、これがこの行動予定表の特徴です。

お互いがお互いのスケジュールを見て、自分のスケジュールを臨機応変に組み換えながら、チームワークを駆使して業務にあたっています。
PCのオンラインスケジュール表にはない、このアナログかつスピーディーな感じが気に入っています。

個人プレーとチームワークの両立が必要な部署の方々、お勧めです!

2013年2月1日金曜日

【総合相談室】お金が戻ってくる?~医療費控除のお話~

今年も医療費控除の時期が近づいてきました。

皆さんは、病院で受け取った領収書や、通院の際に使った交通費の領収書をどうしてますか?そのままポイ捨てせずに、どこかに保管してありますか?

医療費控除とは、1年間の家族の医療費が合計して10万円(総所得が200万円以下の場合は、総所得の5%)を超えた場合に、確定申告をして払った税金を還付すること、です。

ただし、この還付を受けるためには『申告』が必要になります。

申告の際に必要となる、医療機関・交通機関からの領収書は大切に保管しておきましょうね。

また、医療費控除の対象になるものと、ならないものがあるので注意しましょう。例えば、薬局で購入した市販の薬などは対象になりますが、健康食品や栄養ドリンク、美容整形や人間ドック費用などは対象外となっています。


期間は2月16日~3月15日です。お忘れなく!
 

手続き方法や詳しい内容については、最寄りの税務署または市町村の税務窓口にお問い合わせ下さい。またこの医療費控除は、10万円を超えた医療費が全て戻ってくるわけではないのでご注意を!

具体的な手続きについては下記サイトに分かりやすい説明がありました。ご参考までに。